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黙る接客☆

黙る接客って接客にならないじゃん!と思いますよね?

これは自分が水商売の駆け出しの時に経験した話です。

まだ水商売での自分のキャラというものが迷走していた時期、18歳くらいの時の事。

とにかくハイテンションで話し役、数人のお客様に対し常に会話を振りとにかく話しまくるキャストでした。

ちょうど閑散期と言われる時期で部長が各店舗を数日にわたり視察するということもあり

ミーティングでいつも通りの接客を行うようにと店長から指示が出ていました。

実際に部長がどの人なのかは知らされていません。

 

グループの長い先輩が「うわぁ~来るの?うるさいんだよなぁ・・・」と言っていたので

どんな人なのかを聞いてみたところ“仕事に対して一切甘やかさない人“と聞いたので緊張しつつも

誰か知らないし、まぁいいかくらいの軽い気持ちでいつも通りに接客を数日間行いました。

 

視察から3日過ぎたころ店長から「部長が話してみたいので残るように」言われいざ対面。

“あれ?接客した人がいる“という感じで視察=実際に接客されながらということに気づきました。

開口一発目「君はしゃべりすぎだから、自分のお客様以外一切しゃべるな。自分の自己紹介と必要な業務の会話だけで黙ってろ。」と言われたのですが、反発心丸出しの自分の表情で察したのでしょう

部長は「一か月試しにやってみろ」だけ言って帰りました。

 

もうその頃の自分なんて“なんだあのおっさん!人の事を知りもしないで勝手な事言いやがって!“と店長に 文句を言っていました。実際に店長は元部下だったらしく

「頭にくるのもわかる、あの人はああいう言い方だから誤解されやすいんだけど、一回でいいから実践してごらん?結果が今よりも下がるなら自分の方から今の接客では成績が出ないと言うから。」

 

“どうせ下がるに決まってる“と思い1か月黙る接客にシフト。

 

とにかくフリーの席では挨拶と必要なこと以外は黙る。

「愛想がない」「顔が怖い」「不機嫌なの?」と聞かれるし、

「話つまらなかったよね?」と言われることが増える。  

黙るってデメリットじゃん!

場内指名も入らないし、どうするか?

と常に考え、全く自分の接客タイプと違う先輩の接客を待機から研究し始めることにしました。

 

もちろん同じテーブルに着いたときも観察です。

お店はいろんな年齢層のキャストさんで、海外の方もミックスでした。

おかげでいろんなタイプの接客が研究することが出来ました。

 

海外の方の接客は特に勉強になって

ほとんどテーブルで会話してないのにお客様は長時間いる。

同伴の確率がすごく高いのにいつも決まったお客様がいる。

なんで????

と思う事ばかり。本当に沈黙時間がワンタイム中にずっとなのに、何がそこまで惹きつけるのか、なるべく同じテーブルに着けてもらう事にしてヘルプに徹し、ずっと研究させてもらいました。

 

海外の方=イチャイチャが得意だからでしょ。と感じる日とも多いのですが、そこじゃない!

一切の余分な会話をしない時でも無表情ではなくチョット笑顔。

きっと細かい日本語がわからなくても、話のタイミングで相槌を打っている。

そして聞かれない限り自分の話を全くしない。お客様が来てくれた時の喜び方がオーバー。

まだまだあるけど今回はココまでにして、黙る接客は“ただ黙っていればいいわけではない“と理解しました。

 

きっと部長はわかりやすく“黙ってろ“といったのですが単純に聞こえたこの指示が自分の客層を広げることに繋がりました。

今でも鉄板ですが“自営業の派手な遊び方をする人“だけだったのですが

“おとなしい引っ込み思案な方“ “オタク気質な方“ “専門職の方”などの客層が増えていきました。

獲得したら気を付けることは「しゃべりすぎない事」

同伴も増え毎日気を付けるための「お客様ノート」に記入を習慣付けることの徹底と、会話でテンションを上げないようにする事で、どんな話をしたか?自分の知らない内容を教わったら覚えておく、調べてみるで次の会話につなげる、沈黙を嫌がらないなど自分の仕事としてするべきことを増やしていきました。

今まではノリでだけで働いていて指名も頭打ちなり伸び悩んでいた成績がグループの新年会で表彰してもらうまでになれたことには今でも部長に感謝しています。

この指示がなかったら今の自分はきっとなかったなと思います。

 

お客様は自分の話がしたいかもしれない・・・でも話すきっかけがなく興味もない女の子のマシンガントークを延々と聞かされていたらどうだったのでしょう?

きっと私みたいなキャストを指名はしていません。

 

年齢的にも飲酒するわけでもない私が出来る最短の売り上げを作れる方法は“指名のお客様を増やすこと“

色恋が苦手な私が出来る接客方法としての近道を教わる事が出来て感謝しています。

 

そして今の接客でも“必要以上の会話をしない“事や“何をしたいのかを聞き出すこと“に繋がっています。

自分を知る機会があったからこそ”黙る接客の仕方”を身に着けられることが出来て本当に良かったです。

 

風俗のお仕事で会話が苦手なんだ・・・という女の子は自分が黙っていても苦痛に感じないために

いつお客様に見られてもいいように表情を作るという事から始めてみてください。

無表情・無言で自分のイメージが下がってしまうよりも全然いい♪

接客もプレイの技術も自分だけの唯一無二のものになります✨